学習障害は、異常じゃないかも知れない
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識字障害・難読症の原因は、まだハッキリしていない。
脳の言語野という部分の活動がうまく行かないらしいと言うことは分かっているが、それは特徴である。
だいたい学習障害が異常であるかどうかも、よく分からない。
人口の6~10%が学習障害だという推計もあるし、アメリカでは15%くらいじゃないかという説もある。
人口の1割もいるなら、それは異常じゃなくバリエーションだ。
それになにしろ人類が文字を使い出してからそんなに時間がたっていない。
また国民の多くが読み書きそろばんを学習するようになってからも、百年くらいしかたっていない。
人類にあまねく読み書きそろばんができる能力が備わっているかどうか、それ自体疑わしい。
また学習障害のもう一つのタイプ、アスペルガー症候群も、程度問題であって、病気とは言えないかも知れない。
特定の分野に異常に興味を持ち、他人の気持ちがわからないと言うのがこのアスペルガー症候群と言うものだが、そのせいで科学や芸術が進歩してきたと考えられるからである。
だから私は学習障害は異常ではないと考えている。
おそらく軽度の学習障害は、誰にでもあると思う(もちろんこれは私見だが)。
私は一応京大卒だけど、大学で異常なヤツらをたくさん見てきた。
「何でそんなことが分かるんや?」「何でそんなに知識があるんや?」ビックリするくらい異常な学力を持つ、マニアのような連中をたくさん見てきた。
だけど彼らはたいていその代わり、異常にできない分野を持っていた。
「こんなヤツ何で京大生なんや?」「こいつ何でこんな簡単なことができないんや?」そういうビックリするくらいできない分野やできないことを彼らは抱えていた。
難読症などを持つ人間には、空間認識がスゴい人が多いと言われているが、まさにそれ。
彼らは不得手な分野をなんとかかんとか克服して、京大に合格して来たのだろう。
だから読み書きや計算に、多少時間がかかるのは異常でも何でもない。
問題はそれをどうやって、周囲に迷惑を掛けない程度になるまで、トレーニングするかであろう。