頭の良い自閉症? アスペルガー症候群
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アスペルガー症候群とは、自閉症の1つの形である。
自閉症が何かというと、他人のことがわからない状態だ。
質問されても答えられない、クルクル回るモノに目が釘付けになってしまう、そこまでハッキリした状態なら、これはもう自分ではどうにもならない。
発達障害として、何らかのトレーニングを施さないといけない。
一方、知的障害はないモノの、他人とのコミュニケーションができない人もいる。
これがアスペルガー症候群というタイプの自閉症である。
自閉症でない人間の場合、他者の仕草や雰囲気から多くの情報を集めて、相手の感情や認知の状態を読み取る。
ところが自閉症の人間にはこういう能力が欠けていて、心を読むことができない。
他人の仕草や状況、雰囲気から気持ちを読み取れなくて、他人が何かをしていること自体はわかるのだが、それが何を意味しているのかが分からない。
表情だとかボディランゲージなどという、ノン・バーバルコミュニケーション(言葉を使わないコミュニケーション)を理解することができないわけだ。
他人の動作はわかるが意図はわからない
だからアスペルガー症候群のけがある人は、行間を読むことということが、とても苦手だ。
人が口に出して言葉で言わなければ、意図していることが何なのかを理解できない。
もちろんこの症状にも人によって濃淡がある。
たとえば一般的には、表情や他人の意図を読み取ることに関しては不自由がないが、アイコンタクトだけができない人もいる。
アイコンタクトで何か行動させようとしても、それが伝わらない。
「アイツ一体さっきから何見てるんだろう?」…なんて考えたりする。
その一方でじっと他人の目を見つめてしまうようなタイプもある。
これはその人なりに相手の表情などから、行間を読もうと努力しているのだと理解できる。
ただしいくら見つめたとしても、意図することが理解できないので、もうまく行かない。
頭は良いが他人の気持ちがわからないというのは、アスペルガー症候群かもしれない。
こういうことだと、女の子にはモテないから困ってしまう。
行動や素振りで理解しろと言われても、わからないものはわからないんだしねえ。
勉強やスポーツ、芸事などはできるが、冷たい。
自閉症の気がある人は、特定の分野に異常なほどの執着を見せることが多いようだ。
たとえば、自分以外のモノが、予定通りに行動しないと怒り狂う人。
5分と言ったら、5分1秒でもなく、4分59秒でもなく、5分ちょうどでないと、気が済まない人。
本の並べ方や、モノの置き方も、自分の気に入った順序や位置に置かれてないと、激しく怒る人。
こういう執着心が、学問や芸術に向かうと、かなりの成果につながる。
だから、知的障害を伴わないアスペルガー症候群の人は、子どもの頃から良い評価をもらうことができて、それなりに誇りを持って生きることができる。
ただし、他人と呼応することができないので、友だちづきあいや仲間づきあいには、非常に苦手意識を持っている。
この辺が、「できるヤツだが、冷たいヤツ」という評価になったりする。
識字障害のところでも書いたけれど、できすぎるというのも実は障害なのだ。